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イズム経営とは何か──中小企業が「社長がいなくても回る組織」をつくる方法
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イズム経営とは何か──中小企業が「社長がいなくても回る組織」をつくる方法

 

「社長、これはどうしますか?」

一日に何度、この言葉を聞くでしょうか。

会社が小さいうちは、それでいいのです。

むしろ社長がすべて判断した方が早い。

しかし会社が成長していくと、この状態がボトルネックになります。

 

社員が自分で判断できない。 何でも社長確認になる。

幹部が育たない。 社長が現場から抜けられない。

そして、社長が休むと会社が止まる。

 

これは、社員の能力の問題ではありません。

「この会社ならどう考えるか」という判断基準が、社員の中に育っていないだけです。

この判断基準を意図的につくり、組織に浸透させていく経営を、

私たちは「イズム経営」と呼んでいます。

なぜ会社によって「らしさ」がこんなに違うのか

同じ業種、同じ規模の会社でも、

働く人の考え方やお客様への向き合い方はまったく違います。

 

クレームが起きたとき、「まずお客様のことを考えよう」と判断する会社もあれば、

「まず社内ルールを確認しよう」と判断する会社もある。

新しいことに挑戦するとき、

「失敗してもいいから、まずやってみよう」という会社もあれば、

「前例がないからやめておこう」という会社もある。

 

この違いを生んでいるのが、その会社の中に流れている「イズム」です。

イズム経営とは何か

私たちは、イズム経営を次のように定義しています。

 

社長の価値観や判断基準を言語化し、
仕組みと習慣によって組織に浸透させ、

社長がいなくても「その会社らしい判断」ができる組織をつくる経営

 

もっと短く言えば、

 

「社長の判断基準を、会社の判断基準に変える経営」

 

です。

 

強い会社を見ていると、社員一人ひとりの判断に共通点があります。

誰かに細かく指示されなくても、

「うちの会社なら、こうするよね」という感覚が共有されている。

社長がその場にいなくても、会社としての判断が大きくブレません。

 

逆に、イズムがない会社では、判断が「人」に依存します。

Aさんならこう判断する、Bさんなら違う判断をする、

部長によって言うことが違う、昨日と今日で基準が変わる。

これでは組織は強くなりません。

出発点は、社長の頭の中を言葉にすること

イズム経営の第一歩は、言語化です。

多くの経営者は、自分なりの判断基準を持っています。

しかし、それを明確に言葉にしている人は多くありません。

「なんとなく、こっちだと思う」「普通はそうするだろう」「長年やっていれば分かる」

——社長には分かっていても、社員には分かりません。

 

たとえば、こんな言葉です。

 

・お客様との約束は、目先の利益より優先する
・迷ったら、長期的に信用が残る方を選ぶ
・失敗を恐れて動かないことより、挑戦して失敗することを評価する
・問題が起きたら、人ではなく仕組みを直す
・役職が上がるほど、周囲を活かす責任が大きくなる

 

こうした言葉が積み重なって、

初めて「この会社は何を大切にしているのか」が社員に見えるようになります。

言葉にしただけでは、イズムにならない

ここでよくある失敗があります。

経営理念をつくった、行動指針をつくった、

壁に貼った、社員手帳に載せた

——それだけで満足してしまうことです。

残念ながら、それだけではイズムは浸透しません。

大切なのは、その考え方を仕組みに落とすことです。

 

経営計画に落とす
人事評価に落とす
採用基準に落とす
会議の進め方に落とす
社員教育に落とす
日々のルールに落とす
表彰制度に落とす
上司と部下の面談に落とす

 

イズムとは、額縁に入れて飾る言葉ではありません。

日々の経営の中で繰り返され、評価や採用といった

「実際に社員の利害に関わる場面」で機能して初めて、イズムになります。

文化を「偶然」に任せるか、「意図」してつくるか

会社には、放っておいても必ず文化ができます。

「失敗しない方が得だ」「余計なことはしない方がいい」

「社長に聞けばいい」「問題は見なかったことにする」

——こうした文化も、何もしなければ毎日の積み重ねの中で自然に育ってしまいます。

 

だからこそ経営者は、

「どんな会社にしたいのか」
「社員にどんな判断をしてほしいのか」
「何を褒め、何を許さないのか」

を明確にする必要があります。

イズム経営とは、会社の文化を自然発生に任せるのではなく、

経営者が責任を持って育てていく経営でもあります。

イズムが文化になるまでの流れ

イズム経営には、一つの流れがあります。

 

社長の価値観・哲学
  ↓
言葉にする
  ↓
経営の仕組みに落とす

  ↓
繰り返し伝える

  ↓
社員が実践する

  ↓
習慣になる

  ↓
会社の文化になる

 

最初は社長個人の考えだったものが、

やがて社員の判断になり、社員の行動になり、

最後には会社そのものの文化になります。

 

ここまで来ると、「社長が言っているからやる」ではなく、

「うちの会社では、それが当たり前だからやる」という状態になります。

これが、イズムが根づいた会社です。

ゴールは「社長のコピー」をつくることではない

誤解されがちですが、イズム経営が目指すのは、

社員を社長のコピーにすることではありません。

全員が同じ意見を持つ必要もありません。

社員にはそれぞれの個性があっていいのです。

 

大切なのは、判断の根っこに共通するものがあること。何かに迷ったとき、

「社長ならどうするだろう」

ではなく、

「この会社ならどうするだろう」

と考えられること。

社長個人に依存していた判断基準が、会社そのものの判断基準になっている状態。

これが理想です。

仕組みだけでは、会社は残らない

会社を長く続けようと思えば、仕組みはもちろん必要です。

売上をつくる仕組み、採用の仕組み、教育の仕組み、

評価の仕組み、会議の仕組み、業務を回す仕組み。

 

しかし、仕組みだけを残しても、その会社らしさまでは残りません。

 

なぜその仕組みをつくったのか。
何を大切にしているのか。
迷ったとき、何を基準に判断するのか。

 

そうした思想まで受け継がれて、初めて会社は本当の意味で継承されていきます。

 

社長が代わっても、幹部が代わっても、社員が入れ替わっても、

会社の根っこにある考え方は残っている。

そんな会社は強い。私はそう思います。

イズム経営の5つの段階

イズム経営をシンプルにまとめると、次の5段階です。

 

❶言葉にする
社長が大切にしている価値観、考え方、判断基準を明確にする

❷仕組みにする
経営計画、教育、人事評価、会議、採用など、経営の仕組みに落とし込む

❸習慣にする
日々繰り返し伝え、実践することで、社員の行動に変える

❹文化にする
誰かに言われなくても、その判断や行動が当たり前になる

❺継承する
社長が代わっても、その会社らしい考え方が次の世代に受け継がれていく

 

この5段階をつくることが、イズム経営です。

「あの会社らしい」と言われる会社へ

良い会社には、必ず「らしさ」があります。

「あの会社なら、そうするよね」「あの会社の社員らしいね」「あの会社は昔から変わらないね」

——そう言われる会社には、目に見えない一本の軸があります。

 

それは商品でも、制度でも、社長個人でもありません。

会社の中に受け継がれている、考え方です。それこそがイズムです。

 

経営者が本当に残すべきものは、売上や利益だけではないのかもしれません。

社員が迷ったときに立ち返れる考え方。

次の世代が経営するときに判断の軸となる価値観。

そして、「この会社は、こういう会社だ」と胸を張って言える文化。

そんなものを会社に残していく。それが、私たちの考えるイズム経営です。

 

経営者にとって最もうれしい瞬間の一つは、

自分が何も言っていないのに、社員が自分たちで考え、

「うちの会社なら、こうします」と判断してくれる瞬間ではないでしょうか。

 

社長の考え方が、社員の考え方になり、やがて会社の文化になっていく。

そんな会社を、一社でも多くつくっていきたい。

ウィルウェイグループは、これからもイズム経営を実践していきます。

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