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- 塾長コラム
「正面の理・側面の情・背面の恐怖」が強い企業文化をつくる理由
目次
強い会社は「理・情・恐怖」のバランスでできている — 経営を貫く3つの軸
私たちが掲げる会社文化。それは、理念だけでも、人情だけでも、罰則だけでもない。
「理(ルールと合理性)」
「情(思いやりと愛情)」
「恐怖(節度と緊張感)」
――この3つがバランスよくそろって初めて、人は本気で動き、組織はしぶとく強くなる。
この「理・情・恐怖」のバランスを明確に言語化し、実際の会社運営に落とし込んだものが、我々の考える「潰れない会社文化」である。
経営は「繰り返す」ことで上手くなる
多くの経営者は、毎年、次の期に向けて「今期はこう変える」「新しいことをやろう」と考えがちだ。
しかし、人は初めてのことは誰でも上手くいきません。繰り返す過程ではじめて上手くなっていきます。
本質的に、会社の営みの約 9 割は、前年と同じことの繰り返しで成り立っている。
新しいことばかりを追うよりも、
「昨年のやり方をもう一度、ただし熟成させてやる」
という姿勢こそが、実は安定と成長を両立させるうえで重要だ。
繰り返し、改善し、継続する――そのプロセスの中で、初めて組織は“習慣”や“文化”という形を得る。
だからこそ、経営方針やルールを定めた経営計画書は、毎年見直し、再設定する価値がある。
正面の理・側面の情・背面の恐怖 ― 組織を動かす3要素
組織がまとまって動くためには、ただ命令を下すだけでは不十分。
人は論理だけで動くわけではない。感情があり、安心や恐れ、帰属意識があって初めて、人は力を発揮する。
そこで大切なのが、この3要素となる。
◎ 正面の「理」
まず最初に来るべきは 「理」 だ。
理とは、合理性、公平性、道理、そしてルール。
経営理念、就業規則、仕事の流れ、お客様対応、評価制度――。
こうした型を明確に言語化し、全社員に共有することで、
会社の基準がブレず、判断のぶれも減る。
「誰に対しても同じ基準」「曖昧な情で人を動かさない」
その土台があるからこそ、組織の信頼性と安定感が生まれる。
しかし、経営ではこの「理」だけでは、まだ不十分だ。
◎ 側面の「情」
人は感情で動く。
だからこそ、「理」だけの経営では冷たく、無機質になる。
そこで必要なのが「情」。
社員への声がけ、気遣い、日々のコミュニケーション、フォロー。
困っている社員に手を差し伸べる。
小さな成功を共に喜ぶ。
疲れたときに寄り添う――。
こうした人としてのぬくもりがあることで、社員は会社に帰属し、安心し、力を出せる。
だが、「情」だけでは組織は弱く、脆い。
◎ 背面の「恐怖」
「情」だけ、あるいは「理と情」だけで人を動かそうとすると、やがて甘えが生まれ、秩序が崩れがちだ。
だから、「恐怖」もまた必要な要素だ。
とはいえ、暴力や理不尽な罰ではなく、
「怠ったらどうなるか」「責任を取らねばならない」という結果の明示――
節度ある緊張感が鍵だ。
サボれば評価に響く。
会社のルールを守らなければ処分がある。
そうしたリスクを明確に示すことで、初めて人は覚悟を持って動く。
しかし、これを乱用すれば社員の心は離れ、組織は崩壊する。
だからこそ、順番とバランスが最重要である。
なぜ「理 → 情 → 恐怖」という順番か
この3要素が効果を発揮するためには、**順番とバランス**が肝となる。
1. まず「理」――“なぜこのルールか”“会社はどこへ向かうか”を明らかにする。
2. 次に「情」――その理を土台に、人としての心配りや思いやりを示す。
3. 最後に「恐怖」――怠けやルール逸脱があれば結果があることを明示する。
この順序が守られないと、3要素の意味は崩れ、バランスが失われる。
たとえば、「情」だけ先に出せば、社員はルールを軽く見る。
「恐怖」を先に出せば、たちまち組織には恐怖政治が生まれ、信頼は壊れる。
「理」が明文化されていなければ、どんな「情」も「恐怖」も場当たりに終わる。
だからこそ、まず「理」を構築し、そして「情」と「恐怖」を適切な温度で加える――。
この順番とバランスが、組織の安定と成長を支える。
最終目的 ― 「理」だけで動く組織文化の構築
この3要素を繰り返し、浸透させ続けると――やがて会社は「理だけで動く組織」になる。
社員はルールと理念を理解し、感情的な波に左右されず、
安定して成果を出すようになる。
「情」や「恐怖」を使わなくても、「理」だけで人が動く――
それこそが、真に強く、しぶとく、潰れない会社の姿である。
それはまさに、小さな会社が持つべき「文化」であり、「普遍の強さ」である。
終わりに
強い会社は、生まれつき強いのではない。
強くあろうと、経営者が意識し、仕組みをつくり、文化を育てた結果、強くなる。
「理を明らかにする」「人として情をもつ」「節度と緊張を保つ」――。
この3要素を、順番とバランスを守って、積み上げ続けること。
それが、社員とともに、時代の荒波を乗り越え、100年先も残る会社をつくる道。


