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中小企業の社長の特徴【社長のトリセツ】
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中小企業の社長の特徴【社長のトリセツ】

ある講演での心に残る話

先日、私がいつもお世話になっている会計事務所の経営計画発表会に参加しました。所長の発表に続き、専務による講演があり、その中で 「創業社長あるある”」が淡々と語られました。成功者というよりむしろ、日々の経営に奮闘する「普通の社長たち」のリアルな姿。私は、この話に「なるほど」と深く頷かされたのです。

その内容を、私自身の経験を交えながら――中小企業を経営するあなたに向けて、整理してみました。

創業社長に多い “典型的な特徴”

① 食事は注文も食べるのもとにかく早い

多くの経営者と食事を共にすると、よくわかるのがこの習性です。お店に入る前に「これ」と決めていて、メニューであれこれ迷うことはほとんどありません。食べるスピードも速く、会話をしながらでもどんどん食べ進める。多くはよく噛まずに、とにかく早く胃袋に収めてしまうのです。

この“早さ”は、ある意味では “時間を惜しむ経営者の証”。限られた時間の中で効率を求める姿勢が、食事の所作にも現れているのでしょう。

② 家庭の平和を大切さを知っている

創業社長には、家庭の安定が仕事の基盤だと理解している人が多い。どんなに忙しくても、家庭での食事や家族との時間を大事にする――。
たとえその料理が決して豪華でなくても、文句ひとつ言わず「おいしい」と口にする。
それは理屈ではなく、無意識のうちに「妻と子どものために、この会社を続けている」という覚悟のあらわれかもしれません。

③ 常に頭の中は仕事でいっぱい ― “寝ても覚めても経営のこと”

多くの創業社長に共通しているのは、「起きている間は常に仕事のことを考えている」という習慣です。
食事中も会話の中心は会社や社員のこと。子どもの学校の話題よりも、売上、設備、人材、取引先、といったテーマ。
家庭では奥様が話しかけても返事はしますが、心は他のところにあります。だから、「また聞いてない!」としょっちゅう叱られます。
ですが、経営者にとってはこれが当たり前。日々、会社の未来を考え、最短で答えを出す習性が身についています。

④ 意思決定が早く、失敗もまた多い

次の特徴として、とにかくせっかちで、歩くのも速い。

社長は最終決断をしなければならない立場、そして決断する数も多いので「よく考えてお答えします」とはいかないのです。せっかちでないと、すぐやる実行力がないと、生き残ってはいけません。だから失敗も多いのです。

こうした姿勢は、社員から見れば“無鉄砲”に映るかもしれません。しかし、変化の激しい時代においては、“即断即実行”が生き残る鍵であることも事実です。

⑤ 社員とその家族の幸せのために ― 命を懸ける覚悟

何もしないで表現する事は誰にでもできます。例えば、世界中で不幸な人々のことを心配する事は誰にでもできます。しかし、自分の人生を賭けて、たった社員とその家族の生活を守ることの方が尊く、価値があります。

倒産の危機、資金繰りの逼迫、想定外のトラブル――。そのたびに、命を懸けて会社を守る。そして、幾度も乗り越えた先に今の会社がある。社員を 「家族」 のように思うからこそ、厳しいことも言える――。それが創業社長の覚悟です。

社員が辞めず、会社がつぶれず、家族が安心して暮らせる――。そのために、日々の努力と決断を続けるのが中小企業の社長の“当たり前”なのです。

⑥ 会社が“我が子”のように可愛い ― 育てる一途な愛情

多くの創業社長は、会社を自分の子どものように育ててきました。人を雇い、教育し、時には叱り、時には励まし――。
社員数が数十名、数百名であっても、小さな会社を育ててきた過去には、苦労も喜びも詰まっています。
その過程で育まれた思い入れと愛情は、単なる“仕事”ではなく、“自分の人生そのもの”と言っても過言ではありません。

⑦ 社員への愛があるからこそ厳しいことも言う

会社が潰れる危機を何度も経験してきた創業社長は、社員の甘さや危機感の無さに苛立つことがあります。

「会社は潰してはいけない」――。その一心で、ときに厳しい言葉を放つこともある。叱責を覚悟で、小言を言う。社員は不満を抱きつつも、その覚悟と責任感に心を動かされ、ついていく。

人格に欠点があるかもしれない。でも、人間としての「熱意と覚悟」があれば、それが社長の強みになるのです。

⑧ 強烈な個性 ― その人柄に社員もついていく

確かに創業社長には「クセの強さ」があります。頑固、せっかち、自己中心、家庭無視…など、人によっては批判されるような面も。

しかし、社員はその背中を見て、文句を言いながらもついてきます。それは、理念と覚悟が伝わるから。

だからこそ、創業社長には「人格を高める努力」が求められています。強い個性を持ちながらも、他者を怖れず、正しく導く――。それが社長の責任なのです。

⑨ 事業を継承する創業社長の想い

いつか事業を次の世代に譲るときが来る――。
その時、後継者にとって最も重要なのは、前任者(創業者)を敬い、無条件でその背中を立てることです。
譲られた者として、創業者の人生を背負い、晩年に花を咲かせられるよう支えることが、譲られた者の責務です。

引退を決めた者は「捨て身」であるということを、もっと肝に命じなければ後継はできません。自分の人生すべてを賭けた会社を譲るのです。そこがわかっていなければダメなのです。

経営者として、この話にどう応えるか

私はこの講演を聞きながら、自分自身の過去と現在を振り返りました。
実際、僕自身2代目社長の時期があります。そして今、創業者として会社を経営している今だからこそ、この「あるある」のすべてに「うなずき」が止まりませんでした。

「絶対に会社を潰してはいけない!」

そのために、時に連帯保証人として自らに実印を押し、上手くいくかもわからない新しい挑戦をし続け、社内の働く環境も整えようとしています。
中小企業の社長は、これだけのことをひとりですべてやっているからこそ、危機感のない社員の言動を見ていると、反発を覚悟で叱るのです。
時代は、あなたの都合を待ってはくれません。スピード感、判断力、実行力が問われる今だからこそ、即断即行する経営者でなければ生き残れない。
そして、社長が社員とその家族を守るため――毎日、前を向いて進み続けるしかないのです。

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