Blog塾長ブログ

- 人と組織を育てる
中小企業のマネジメントとは?人を管理せず、成果が出る仕組みをつくる
目次
「マネジメント=管理」だと思っていないか
中小企業の現場で「マネジメント」という言葉を使うとき、
多くの経営者や管理職が思い浮かべるのは次のようなことではないだろうか。
・社員の行動を管理する
・進捗を管理する
・ルールを守らせる
・報告を受ける
・できていなければ指導する
もちろん、これらもマネジメントの一部。
しかし、私は中小企業の経営現場を見ていて、いつも思うことがある。
マネジメントを「管理すること」だと思っている会社ほど、組織が動かなくなる。
チェックリストは増え、報告書は分厚くなり、会議は長くなる。
それでも数字は変わらない。
そんな経験をした経営者は少なくないはず。
本来、マネジメントの目的は社員を管理することではありません。
成果を出すことです。
私は、マネジメントを次のように考えています。
マネジメントとは、「人を動かすこと」ではなく、
「成果が出る仕組みをつくり、動かすこと」。
そして、もう一つ。
与えられた人・モノ・金・時間の中で、なんとか成果を出すこと。
これこそが、中小企業におけるマネジメントの本質ではないだろうか。
本来のマネジメントの意味とは
そもそも「management」という言葉は、「manage」から来ている。
manageには「管理する」「運営する」という意味があるが、
英語ではもう一つ、とても面白い意味がある。
たとえば、「I managed to do it.」と言えば、
「私はそれを管理した」という意味ではなく、
「なんとかやり遂げた」「どうにかできた」という意味になる。
manageという言葉は、もともと
「手で扱う」「操る」「切り盛りする」といった意味から発展してきた言葉。
そこから、
「難しい状況をうまく扱う」
「限られた条件の中でやり遂げる」
という意味でも使われるようになった。
これを知ると、経営におけるマネジメントという言葉の見え方が少し変わる。
中小企業の経営には、常に制約がある。
「人が足りない」
「予算がない」
「時間がない」
「優秀な社員がいない」
「大企業のようなブランド力がない」
こうした状況は珍しいことではなく、むしろ、中小企業経営にとってこれが普通。
だからこそ経営者や幹部に求められるのは、
「条件が整っていないからできません」
と説明することではなく、
「今ある条件の中で、なんとかすること」
これがマネジメントの本来の意味となる。
マネジメントとは「人を動かすこと」ではない
「マネジメントができる人」と聞くと、
部下をうまく動かせる人をイメージする人も多いと思う。
しかし私は、少し違うと考えてる。
人を動かそうとすると、どうしても個人の能力に依存することになる。
「もっと頑張ってくれ」
「もっと主体的に動いてくれ」
「もっと営業してくれ」
「もっと考えて仕事をしてくれ」
こうした言葉を何度繰り返しても、会社はなかなか変わらない。
なぜなら、仕組みが変わっていないから。
社長が一生懸命に社員を動かそうとする会社よりも、
社員が自然と動ける仕組みがある会社の方が強い。
だから私は、
マネジメントとは、「人を動かすこと」ではなく、
「成果が出る仕組みをつくり、動かすこと」
だと考えている。
誰が担当するのか。
いつまでにやるのか。
何をもって完了とするのか。
どの数字を確認するのか。
問題が起きたとき、どう修正するのか。
ここまで決まって、初めて仕事は仕組みになる。
社員の能力や根性に依存するのではなく、成果が出る状態を設計する。
それが本来あるべきマネジメントの姿。
できない理由を説明するのが仕事ではない
会社では、問題が起きるたびに説明や言い訳が増える。
「人が足りなかったので」
「忙しかったので」
「予定外の仕事が入ったので」
「お客様からの反応が悪かったので」
もちろん、原因を分析することは必要です。
しかし、原因を説明しただけでは成果は変わらない。
マネージャーの仕事は、
できなかった理由を説明することではなく、次にどうすればできるかを考えること。
人が足りないなら、やることを減らせないか。
時間が足りないなら、優先順位を変えられないか。
予算がないなら、お金をかけない方法はないか。
能力が足りないなら、仕組みにできないか。
成果が出ないなら、やり方を変えられないか。
条件を嘆くのではなく、条件の中で答えを探す。
できない理由を説明するのが評論家。
限られた条件の中で、なんとかするのがマネージャー。
評論家的な視点は、分析としては正しいことも多い。
しかし、それだけでは組織は一歩も前に進みません。
マネージャーに求められているのは、正確な状況分析ではなく、
限られた条件の中での意思決定と実行力。
会社が必要としているのは、評論家ではありません。
成果を出す人です。
社長自身が「マネジメントできているか」を問い直す
ここまで、社員や幹部のマネジメントについて伝えてきたが、
実はこの話は社員だけの問題ではありません。
中小企業では、社長自身がマネジメントできていないケースも少なくない。
・指示が曖昧
・数字がない
・判断基準がない
・属人的
・社長にしか分からない
・毎回その場で判断している
こうした状態のまま、社員に
「もっと自分で考えて動いてほしい」
「マネジメント意識を持ってほしい」
と求めても、うまくいきません。
仕組みがない場所には、行動の基準は生まれません。
まずは社長自身が、
「成果が出る仕組みをつくれているか」
を問い直す必要がある。
組織のマネジメント力は、経営トップのマネジメント力を超えることはありません。
