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- 塾長コラム
考えても答えが出ないのは「経験不足」が原因。悩む前に相談すべき理由
目次
「考えます」「考えてます」
仕事をしていると、この言葉にいろいろな場面で遭遇する。
部下から、あるいは自分自身の口から。多分、本人は一生懸命なのだろう。
真剣に悩んでいる顔つきを見ると、
こちらもつい「じっくり考えてくれているんだな」と思ってしまうこともある。
でも、少しだけモノの見方を変えてみると、
この「考える」という時間の使い方を変えることができ、仕事ぶりは劇的に変わる。
「考える」とは「過去の経験から回答を見つけること」
そもそも「考える」とは、どういうことなのだろうか。
わが社では毎週1回、全社員参加のベクトル勉強会を社内で開催している。
方針や考え方を共有し、価値観を合わせることを目的とした勉強会。
その勉強会で、「考える」とは何かを、こう共有してる。
「過去の体験を思い出して整理すること。
体験・経験がないと考えられない。組み合わせを変えること」
つまり「考える」という行為は、
ゼロから何かを生み出す魔法のようなものではない。
自分の中にすでにある経験というデータを引っ張り出し、
並べ替え、組み合わせを変えることで答えを導き出す作業のこと。
だから、体験したことがないことは、いくら頭を抱えても考えることができない。
そういう時は考えずに、経験したことがある人に素直に聞きなさい、と社員には教えている。
「悩む」ことを続けると、心身共に疲れていく
「考える」と似た言葉に「悩む」という言葉がある。
この2つの言葉の意味の違いを理解することは、
仕事ができるようになるためにとても重要。
「悩む」という言葉には、
「心を痛める。苦しむ。困る。」といった感情が伴う意味がある。
そして、この状態が起きる前提条件は、「過去に経験したことがない」こと。
過去に経験したことがあれば、判断して行動することができるはず。
中学生の時に悩んでいたことを、
大人になった今も悩んでいる人は、そう多くはないでしょう。
それは、当時は経験が浅く悩んでいたことも、
時を重ねる過程で解決する方法を身につける「経験」を積んだ結果。
「悩む」という状態は、今、目の前にある課題や問題に困っている状態。
さらに、経験したことがないから何が正解かがわからない状態。
仮にわかったとしても、それは確信のない、憶測でしかない状態。
例えるなら、
ゴールがはっきりしないまま、森の中をさまよっているようなもの。
方角もわからず、地図もない。歩けば歩くほど、体力だけが削られていく。
この状態を繰り返し続けることで、ストレスが増大し、
疲労が蓄積し、心身共に疲れていってしまう。
真面目な人ほど、この「悩む」というループにはまり込み、抜け出せなくなる傾向がある。
「悩んだ時間」と「決定の正しさ」は無関係
経験の浅い人(仮に経験値を「10」とする)が、
1時間悩んでも、1日悩んでも、その経験値は「10」のまま変わらない。
つまり、経験値が「10」のまま1ヶ月悩み続けたからといって、
経験値「100」の人が導き出すような回答が、突然生まれることはありません。
だから、3分悩んでわからないことをグズグズ考え続けるのではなく、
その経験をしたことがある人、つまり経験値が高い人に相談することで、
よりよい回答をすぐに見つけることができる。
長時間悩んでも、悩まなくても、結果はほとんど変わりません。
決定の正しさは、悩んだ時間とは無関係。
それであれば、悩む時間は短いほうがいい。
無駄な時間は少ないほうがいいはずだ。
「3分考えてわからないことは、30日考えても答えの質は変わらない」
時間をかけることと、答えの質を高めることは、まったく別の話。
悩んだ時に価値となってくるもの
「考える」と「悩む」の違いを、パソコンに例えて当てはめてみる。
「悩む」とは、過去の経験というデータがそもそも存在しない状態。
だから、いくら処理をしようとしても回答を導き出すことができない。
「考える」とは、過去の経験がデータとして蓄積されているので、
そのデータを処理することで回答を導くことができる状態。
1日は24時間しかありません。
自分ひとりで経験できることには、当然限りがある。
そもそも、あらゆることを自分ひとりで経験しようとすること自体に無理がある。
自分で経験することはもちろん大切。
しかし、それ以上に大切になってくるのが、
もし「悩む」状態に陥った時に、すぐに連絡できる、
それをすでに経験している相談相手が、どれだけいるかということ。
一人で抱え込んで森の中をさまよい続けるのか、
それとも地図を持っている人にすぐ聞くのか。
その差が、そのまま仕事のスピードと質の差になっていく。
『体験』が欲しければすぐに動く。『知恵』が欲しければ誰かに聞く。
自分が今向き合っているものが
「考える」ことなのか、それとも「悩む」ことなのか。
まずはそこを見極めることが大切。
経験があるなら、頭の中のデータを組み合わせて「考える」。
経験がないなら、いくら頭を抱えても答えは出てきません。
それは「悩む」でしかないからだ。
「体験」が欲しければ、すぐに動く。 「知恵」が欲しければ、誰かに聞く。
だから、時間をかけて考える必要も、ましてや悩む必要もない。
どちらが欲しいのかを決めたら、あとは動くのみ。


